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熊本県八代にある心理カウンセリング・ルーム「メンタル・ケア・ハウス」です。

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心の救急箱First-aid kit at the heart


 八代・水俣・芦北地区で発行されていました『DUSUKINディーネット』。
 2008年8月から11回にわたり私(清原加代子)のエッセイが掲載されました。
 題して「心の救急箱」
 私が日頃想い描いている心のあり様を綴ってみましたので、お読みいただけると嬉しいです。

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    第6回 〜 感情の大切さ 〜
   

 青、紫、赤、ピンク、白、水色…濃淡も鮮やかに、アジサイの花が咲いています。その花かげでは、かたつむりがかくれんぼをして遊んでいます。かたつむりは殻の中で、何をつぶやいているのでしょうね。幼い頃、私はふとそんなことを空想したことがあります。
 そして、それによく似たモチーフの美しい童話に出逢いました。新美南吉先生の『でんでん虫の悲しみ』という短編です。 一匹のでんでん虫が、ある日、自分の背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰まっていることに気づき、友達のでんでん虫を訪ね「私は、もう生きていられません」と嘆きます。すると「あなたばかりではありません。私の背中にも悲しみはいっぱいです」と答えが返ってきました。そこで、友達を順々に訪ねていくのですが、どの友達も同じことを言うのです。とうとう主人公のでんでん虫は悟りました。「悲しみは、誰でも持っているのだ。私ばかりではない」と。そして、もう嘆くのをやめたのです。
 この作品については、美智子皇后様も、国際児童図書評議会世界大会の基調講演で触れておられます。
  でんでん虫が嘆くのをやめたのには、いくつかの素敵な要素があります。私なりに分析してみました。
@「悲しみ」という自分の感情に気付いたこと。
A一人でため込まずに、友達を訪ねたこと。
B「生きて居られません」と感情の排泄をしたこと。
C「私ばかりではない」と再認識したこと。
Dあるがままに、自分の感情を受け入れたこと。

  第3回でお伝えしたように、「ストレス対処」で最も厄介なのが「心理的要因」です。それは「感情」が密接に関わっているからです。
 心理学では、感情を4つに大別します。「悲しみ」「喜び」「恐れ」「怒り」です。4つとも「良い」「悪い」という区別はなく、どの感情も生きていく上で必要なものです。誰もが、悲しみ、喜び、恐れ、怒りを感じるわけで、ごく自然で、健全なことです。
 ところが、ある特定の感情を出すことを否定されて育った人は、その感情を使っていないのでモヤモヤと満たされない思い…不快感が残ります。
 例えば、男性が悲しみや恐れを表出すると「男のくせに弱気になるな」と叱咤激励され、また女性が怒りを表出すると「女だから慎み深くなさい」と指摘されがちです。そうやって、許可される感情に固定化され、バランスを欠き「すぐイライラ怒る」「クヨクヨ落ち込む」「いつもビクビク不安がる」「辛いのにニコニコする」などとパターン化した行動をとり、「短気」「泣き虫」「臆病」など性格だととらえられたりします。そして、さらにそれらが昂じて「高血圧」「うつ」「パニック」などの症状として現れることもあります。性格といわれているものの半分は、実は後天的に生活の中で学習したものと近年の研究で考えられています。
 ですから、健康で暮らすためにも、またより良い人間関係を作るためにも、感情の排泄はとても大事です。

 カウンセリングの中でも「ナラティブセラピー」と呼び、安全な場所で、安心して、思うまま自由に語り、感情を排泄することを重要視します。人は「感情」を伝えないので「感情的」になります。まずは自分の感情に気付いて、日頃から何らかの形で語ることです。日記や詩作、絵画制作も効果的です。そして、誰かに語るときには、あなたの心に寄り添ってくれる人を慎重に選ぶことも大切です。



     
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